病児保育室たより

病児保育室だより 令和3年11月

葉の色が赤や黄色に美しく色づき始めました。病児室にくる子どもたちは元気があると「どんぐり」や「まつぼっくり」を一緒に歌ってくれ、子どもたちの歌声からも秋を感じることができます。

寒くなってくる時期から流行し出すのが感染性胃腸炎(アデノウイルス・ノロウイルス・ロタウイルスなど)です。昨年は11月から12月にかけてノロウイルスで利用される子どもさんが多くいらっしゃいました。罹患しないことが一番よいことですが、昨年かからなかったお子さんはその分の免疫は落ちている可能性がありますので、手洗い・うがい・食事・睡眠をしっかりして予防していきましょう!

 

今月は、「予防接種」についてお伝えします。乳幼児にはたくさんの予防接種があり、保護者の皆様にとっては“大変だ…”“注射を何度もさせるのがかわいそう…”と思われるかもしれません。しかし、接種しておくことで、予防や重症化のリスクを回避することができます。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は一般的には軽症の疾患とされていますが、合併症として、髄膜炎(300人に1人)や難聴(20000人に1人)、睾丸炎などがありますので軽視はできません。

ただ、予防接種をしたからといって絶対に「かからない」というわけではありません。

子どもは生後約6カ月まではお母さんからの免疫により守られていますが、6か月以降はその免疫がほとんどなくなって無防備な状態になり、そこから徐々に自分の免疫力を高めていく時期に入ります。6か月以降というと保育園に入園したり集団生活がスタートする時期でもあります。集団生活の中でいろいろな感染症を貰ってきてしまうのは、まだ自分の免疫や抗体が弱いからなのですね。

しかし、何かにかかっても軽症であれば、子どもさんにとっても保護者様にとっても負担が少なく、かかったことによって自分の免疫が作られて段々かからなくなっていくのです。

もし予防接種に対して、不安や困りがあれば、どんな小さなことでも医療機関や保健師さんに相談してみて大丈夫です。私たち病児室の保育士でも構いません。クリニックと協力して一つずつ解決していきましょう。