病児保育室たより

病児保育だより 令和5年度9月

朝夕の風に少しずつ秋の気配を感じるものの、日中はまだまだ残暑が続きますね。新学期も始まり、運動会準備などで身体も疲れているころではないでしょうか。季節のかわり目は気温差が激しかったり湿度もグッと下がるので体調を崩しやすくなります。食事・休息時間をしっかりとって元気に過ごしていきたいものですね。

8月の病児保育室。咽頭結膜熱のアデノウイルス患児のご予約・入室がとても多かったように感じます。6月頃から感染が増え始め7月~8月をピークに流行することから、保護者の皆様はヘルパンギーナ・手足口病と合わせ夏風邪として耳にされることがあるかもしれませんね。

今回はアデノウイルスについて紹介していきたいと思います。

  • アデノウイルスの型

<呼吸器感染症>

症状:喉の腫れ(扁桃炎)や喉の痛み、炎症(咽頭炎)、高熱。

検査:検査用の綿棒で喉の奥をこすります。

感染経路:飛沫・接触

 

<流行性角結膜炎>

症状:高熱や喉の痛みはなく目の充血、目ヤニが多量に出ます。

検査:まぶたを検査用綿棒でこすります。

感染経路:接触

<胃腸炎>

症状:嘔吐、下痢、時に高熱

検査:肛門から綿棒を少し入れ便の検査をします。(下痢の出たオムツを持参して頂いても検査は可能です。)

※保育園などでアデノの流行があり受診を求められても排便がなかったり下痢症状などがなければ浣腸などをして奥にたまっている排便で検査をすることもあります。

 

  • 治療

アデノウイルスには抗菌薬は効きません。

症状をやわらげる対症療法によって重症化や脱水症状をおこさないように注意することが治療の基本となります。

症状に合わせた解熱剤や制吐剤などを使用しましょう。

 

  • 予防

感染予防には手洗い・うがいが基本です。

タオルや持ち物なども共有せずドアノブ・リモコンなど頻繁に触れる場所の

消毒をおすすめします。

アデノウイルスはいくつもの型(種類)があるため、季節を問わず感染を繰り返します。

 

  • 登園基準

発熱や目の充血・目ヤニなど主な症状が消失し、2日経過してからの登園となります。

登園許可書なども必要な園も多いので登園前に確認しておくことをおすすめします。

季節の変わり目ですね。寒暖差に注意し元気にお過ごしくださいね。